12月9日に、ウインズ名古屋で馬券を購入するついでに、無料配布の
2008年度カレンダーをもらってきました。 どんなものかよく確認していなかったので、改めて、見てみました。 季節に沿った(そうでないものもありますが)浅田次郎の書き下ろしの文章に、 久保吉輝の写真という構成。JRAのスペシャルサイト『大人の競馬倶楽部』の ような感じ、といえば、わかりやすいかもしれません。 この手のカレンダーにありがちな、その月における昨年の重賞勝ち馬の写真を 載せるだけ、というものとは違い、じっくりと文章と写真を楽しめる仕上がりに なっているのでは、と思います。 一般的なものとは違い、日曜日が右端に来ているのが、やや戸惑う ところではあります。 競馬好きで知られる浅田氏ですが、文章のそこかしこに、『競馬』というよりは 『中央競馬』が好きと思われる表現が見られたのは、個人的には、やや残念。 まあ、JRAからもらった仕事でもあるし、以下に挙げたような表現が世間に おける共通認識なのだろうから、仕方ないといえば仕方ないんですが。 ※1月『今年こそ』の"しかし休みらしきものといえば、暮と正月ではなく、 有馬記念から金杯までのわずかな日々である"や、 4月『美しい一日』の"競馬ファンはみな、頭の中に三種類のカレンダーを 持っている。(中略)ひとつは金杯に始まり有馬で終わる、おおむね 週末だけの予定。"など。 ひと通り見て、一番心に残ったのは、11月の文章『魔物』。まだまだ競馬暦の浅い 人間ではありますが、引き付けられるものがありました。 貼り付けた画像でも読めるとは思いますが、書き写してみます。 魔物 競馬場には魔物が棲んでいる。 コーチ屋のようにそれらしく近寄ってくるの なら怖くもないが、穴場の魔物は正体がない。 横あいから新聞を覗きこんで、「そりゃないぜ」と 囁きかけてくる。それもきまって、締切寸前である。 魔物の声を聴いたら最後、徹夜で考えた予想は覆る。 何時間もかけた結論が、ほんの一瞬で変わってしまう。 マークシートが導入されたとき、これで魔物は 退散するとほくそ笑んだものだが、どっこい いよいよたちが悪くなった。「そりゃないぜ」とも 言わず、赤ペンの先に憑依して前夜の予想とは 似ても似つかぬ印をつける。やはりきまって 締切寸前である。 どうやらこの魔物には、一生付きまとわれるらしい。 PR |
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